瑠璃色のように美しい世界

読書と映画、日本酒とワイン、牡蠣と牛、村上春樹とフィッツジェラルドを愛する筆者が見た美しい世界についての日記です。

本当においしい日本酒。

本当においしいお酒と出逢うことは、人生の中で実はあんまりない。

 

以前「ロ万」という日本酒に感動した。

 

 

おいしいお酒を飲むためには、もちろんお酒の質は重要なのだけど、私の場合は家でひとりで飲むより店で飲んだ方がおいしい。

 

特にビールなんかは、達成感のあるイベントの後に飲むと格別だと思う。日本酒やワインは、ペアリングが重要で、食べ物の相性に応じて味わいが変わる。

 

だから、ロ万を飲んだ時は、その店の雰囲気、人、料理のすべてがマッチングしていたのだと思う。

 

だけど、今となっては、感動した事実を思い出すことはできても、何を食べて誰と飲んでいたか、ということは覚えていない。

 

それでも今やロ万は、私にとって、級友のような存在であるし、時々店に置いていると、とてもあたたかな気持ちを思い出させてくれる。

 

おいしい日本酒を飲んでいても、そこに一体感がなければそのお酒は無二の存在とはならない。

 

級友というイメージだから、一緒にいた人は古い友人だったかもしれない。男だったのか、女だったのか。それは分からないけど、とにかくロ万を飲んだ時はすべてが完璧だった。

 

本もアルコールも、自分にとって特別な存在になるためには、そのものの味よりも、味わえるかどうかだったり、その瞬間、完璧だと感じる体験をしたかどうかが大事なんだと思う。

 

もしかしたら、人もそうかもしれない。